
こんにちは。そうだ、京〇に行こうみたいなノリで、記事を書かせていただきます。そうだ、財務分析をしてみよう!とのことで今回は中国の代表的な企業の一つである、アリババを取り上げてみましょう。
アリババを財務分析してみましょう。わかりやすく、1ドル100円と仮定しております。
下記アリババの財務分析のスプレッドシートになりますのでご覧ください
2014年にNY証券取引所になりもの入りで上場したアリババのこれまでの歩みを財務諸表をもとに読み解いてみましょう。
上場して最初の決算期である2015/3では、売上高12,293億円、EBITDA(税引き前営業利益+減価償却費+のれん)6,574億というとてつもない利益をうみだしました。
EBITDA/売上高が53.48%と高い利益率をたたき出しております。
前期2019/3期においては、売上高56,152兆円、EBITDA18,170億円と、売上高は約4.7倍、EBITDAは約2.8倍と5年で、とてつもない成長率をたたき出しております。
ただ、その中身をみると、順調とは簡単に言い切ることはできないかもしれません。
その要因は2つ考えられます。
ひとつは、売上高に占める原価率の割合が年々上昇していることです。
2015/3期では、売上高原価率は31.28%でしたが、2019/3期では、54.91%となっております。売上高原価率が低いことは、価格交渉力があることを意味します。原価が足元で上がってきていることは、価格交渉力が落ちてきていることのあらわれとも言えます。それは業界の競争が激化していることも背景にはあるのでしょう。
原価が安いほうが、利益は自然と大きくなります。原価をコントロールできなくなるようだと、利益率が落ちて行ってしまうことになりかねません。
もう一つは、設備投資です。
2015/3期は、1,243億円でしたが、2019/3期には5,286億円と4倍強増えています。設備投資が増えることは悪いことではないのではという声も聞こえてきそうです。悪いことではないと思います。ただし、設備投資をしないと、稼げない&稼ぎ続けることができないということであれば、確実に利益を蝕んでいく要因になります。
売り上げも5倍強増え、利益も3倍弱増えているので、それを保つ設備投資を多くしなければいけなくなるのは自然なことです。ですが、フリーキャッシュフローを増やすという観点において、投資CFをできる限り低く保つことも大切なことです。
確実にキャッシュが出て行ってしまうことになるので。
まだ5期分しかデータがないため、多くの示唆をもたらすことはできませんが、売り上げが伸びているから大丈夫!とか利益が伸びているから大丈夫!という考え方は企業の分析をする上でとても危険です。
株価はEPS×PERで表されます。
EPSは2015/3期において1.67ドルでしたが、2019/3期においては、5.06ドルと大きく飛躍しております。単純にPERが5年間と変わらなければ、計算上株価は5倍になります。
https://www.bloomberg.co.jp/quote/BABA:US
今後の成長動向を見る上で、2020/3期の決算が待ち遠しいですね。